いやあ、感動しました、「奇跡のリンゴ」!
冒頭から引き込まれて、最後は涙、涙。なんというドラマ。
NHKの番組が放送されたのが2006年だそうですから、もう7年も前のことなのですね。
当時すごく話題になったので、木村さんの名前は知っていたのですが、詳しい話を聞いた(読んだ)のは初めてでした。
当時、けっこう色々な人から反論(反発?)もあったように記憶しています。
無農薬・無肥料で栽培するのが「本当の農業だ」みたいに言われたら、(この本ではそんな風には書かれていませんが)、慣行農業だけでなく、有機農業をやってる人たちからしたら、自分たちの仕事を否定されたような気分になるでしょうし。
(むしろ、慣行農業の人より有機農業の人の方が、受け入れがたい気分になったかも・・・)
私もずっと、自然農法をやってる人たちというのは一種宗教的というか、
狂信的なイメージがあって、
「農薬・肥料を使った野菜なんて本物じゃない!」みたいな
なんとなく、とっつきにくい感じがしていて、
それでずっと敬遠していたような気がします。
でもこの本には、現代農業を糾弾するとかいうスタンスはなく、そういう意味でとてものどごしのよい本だったと思います。
むしろ明治時代、初めて農薬が入ってきた場面では、効果のすごさに感動したりしました。。。
久しぶりに、「早く家に帰って続きが読みたい!」と思わせてくれる本でした。
題材の面白さだけではなく、ライターの石川拓治さんの構成や文章も
すばらしかったと思います。
(そういえば、昔NHKの朝ドラ「私の青空」というのがありましたが、それの続編に、青森でリンゴに声をかけるだけで育てている女の子が出てきたのを憶えています。
なんて突飛な設定と思っていましたが、これはもしかして、木村さんが下敷きになっているのでしょうか・・・)